GoogleAnalytics4(GA4)の概要とUAとの違い【初心者向け】

GoogleAnalytics4(以下、GA4)とは、2020年10月にリリースされた、新しい形式のGoogleAnalyticsです。
従来版のユニバーサルアナリティクス(以下、UA)の「ページ」ベースでのアクセス解析から、「ユーザー」ベースのアクセス解析へと変化し、よりユーザー行動を把握しやすい設計に変化しました。
本記事をご一読いただけば、今後どうしてGA4で分析を行っていくべきなのかが分かります。

GA4登場の背景

①ユーザー行動の変化

近年ではプライベートにおいて、スマートフォンよりもPCを使用する人はほとんどいないのではないでしょうか。
スマートフォンの急激な普及で、ユーザーのオンラインでの行動が大きく変化しています。

それに伴い、Webページの解析ツールであるUAではオンラインユーザーの行動に対して詳細な分析を行うことが難しい場合が出てきました。
例えば、スマートフォンのアプリには「ページ」という概念がそもそも存在しないので、ユーザーの詳細な行動を把握しきれません。
更に動画コンテンツは1ページ内で完結するので、動画を視聴したためセッション時間が伸びているが、PV数は1しかカウントされない、といった現象が発生し得ます。

動画コンテンツの場合、重要になるのはPV数などのページに関する指標ではありませんので、ここでPV数が少ない=ユーザーはコンテンツに興味を持っていない、と判断するのは間違いです。
動画視聴回数、動画視聴時間、視聴後のCV数(問い合わせ獲得など)といった指標が重要になってきます。
データが正確に取れていたとしても、それが本当に意味のあるデータではなくなる可能性があります。

このように、アプリや動画コンテンツが普及した今、UAでは不十分だということがお分かりいただけると思います。
上記事象のように、UAでは分析しきれないユーザーの行動に対応するため、というのが、GA4が生まれた理由の一つです。

②プライバシー保護の潮流(Cookie規制の動き)

2つ目の理由として、Cookie規制の動きが挙げられます。
近年、ユーザーのプライバシー保護の観点から、Cookie(Webサイトを訪問したユーザーの情報を一時的に保存する仕組み)の利用が制限されています。

UAでは、Cookieレスの時代に100%対応するのは困難であるため、というのもGA4が生まれた理由になります。

GA4とUAの違い

GA4と従来のUAとの違いは、下記が挙げられます。

  • 「セッション」単位の計測から「イベント」単位の計測に
  • 新しい指標「エンゲージメント」
  • 「ビュー」から「データストリーム」へ
  • Webサイトとアプリ間で同一ユーザーとしてカウント可能
  • 機械学習を導入


「セッション」単位の計測から「イベント」単位の計測に

まず、セッション単位の計測からイベント単位の計測になったことが大きな違いです。
UAではセッション(ユーザーがWebサイトを訪れてから離脱するまでの一連の操作)を一つの単位として、セッションメインの計測を行っています。
そして、そのセッションの中で、PV数や直帰率、ページ/セッション(1セッション内で何ページ閲覧したか)、セッション時間などの指標をそれぞれ計測しています。
対してGA4では、イベント単位で計測を行っています。
ユーザーがWebサイト上で行ったアクションが詳細に取りやすい一方、直帰率など、従来の指標で計測されなくなったものがあります。

機械学習を導入

GA4では、機械学習が導入されることによって予測値を出すことが可能になっています。
例えば解約率を予測したり、予測に基づき広告配信を行うなどといったことが可能になります。

新しい指標「エンゲージメント」

GA4では、UAにはなかった新しい指標が追加されました。
それが「エンゲージメント」です。
エンゲージメントとは、Webサイトやアプリに対するユーザー操作のことです。
スクロールやクリック、ファイルのダウンロードなど、一つ一つのあらゆるアクションがエンゲージメントです。
このエンゲージメントと、前述した機械学習による予測を組み合わせることによって、CVする確率の高いユーザーにアプローチが可能になります。

「ビュー」から「データストリーム」へ

GA4では、アカウントの構成が変更になっています。
今までのUAでは、アカウント>プロパティ>ビューという構成でしたが、
GA4ではアカウント>プロパティ>データストリームという構成になりました。

データストリームは、Webサイトやアプリからアクセス情報を収集するデータの流れ、転送方法のことで、Web / iOS / Androidの3つに分かれています。
UAでは、1つのWebサイトに対して複数のビューを作成して解析を行いましたが、GA4では、1つのサイトに対して1つのデータストリームとなりました。

Webサイトとアプリ間で同一ユーザーとしてカウント可能

GA4では、Webサイト上とアプリ上でユーザーを一貫して識別するためのIDを設定できるようになっているため、Webサイトを訪れたユーザーとアプリを使用したユーザーが同じだった場合、同一ユーザーとしてカウントできるようになりました。(プラットフォームが変わってもユーザーを判別できるようになった。)
これにより、重複が少なくなり、ユーザーの行動を分析するためのより正確なデータが収集されるようになりました。

GA4使用開始時の注意点

UAのデータをGA4に移行することはできない

UAで収集したデータを、新しく作成したGA4に引き継ぐことはできないので注意しましょう
データはWebサイトに新しくGA4用の計測タグを設定してから収集が始まりますので、UAの計測タグを設置している場合も忘れずに設置しましょう。

GA4だけでは不十分なケースもある

前述した通り、GA4ではセッション単位の計測ではなくなったため、直帰率や回遊率などのデータが取得できなくなっています。
そのため、LP(ランディングページ)やWebサイトの改修時に、アクセス解析を行おうと思っても「この指標を確認したいけどできない...」といったことが現状起こり得ます。
今後GA4の機能もさらに拡張されていくはずですが、現状では上記のような事象を防ぐために、GA4では解析できない指標があった場合、どうしてもUAを使用しなければいけない場合には、UAを使用して解析を行うことがベストだと言えます。

UAのサポート停止

2023年の7月1日付けでのUAのサポートが停止され、GA4に切り替わることが発表されました。
前述の通り、現状GA4では分析しきれない指標もありますが、今後機能の拡充がされ、より優れた分析ツールとなることが予想されます。
今の内からGA4での解析をメインで行い、操作、各種カスタム設定に慣れておきましょう
またサポート終了後、最低6か月間は旧UAのデータを使用することができますが、完全移行前に必要な過去データをエクスポートしておきましょう。
参考:アナリティクスヘルプ

まとめ:GA4は必須の解析ツール

あらゆるWebサイト・アプリを運用していくにあたり、ユーザーの分析、アクセス解析を行うことは重要です。
そこから改善点や解決策を見出すことができます。
GA4はユーザーの行動を分析するための、非常に優れた解析ツールです。
今後、Cookieが完全に規制されたとしても分析が可能です。
UAからの完全な移行が、発表されたため、今後ますます需要が高まることが予想されます。
担当者の方々は、2023年7月1日までに、必ず使えるようになっておきましょう。

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