ECサイトのアクセス解析時に必ず見るべき指標(KPI)15選

この記事では、ECサイトを分析する時に見るべき指標を紹介します。
Webサイトのアクセス解析にはGoogleアナリティクスが使われている場合が多いので、GA(UA)上で確認可能なKPIはGAの操作方法についても同時に解説しています。
また後半では、Web広告配信して集客を行っている際に追加で見るべきKPIも解説しています。

「ECサイトの売り上げを伸ばすためにアクセス解析をしたい」、
「初めてECサイトのアクセス解析をする」、
「Googleアナリティクスを触ったことがない」、

という方は、ぜひ本記事を参考に、簡単なアクセス解析をしてみてください。

ECサイトのアクセス解析時に見るべき10の指標(KPI)

ECサイト解析において、確認するべき指標は以下が挙げられます。
それぞれKGI、KPIとして用いられることも多いので、必ず確認することになるでしょう。

売上

売上は、セッション数(アクセス数)×CVR(購入率)×購入単価で出すことができます。
 
「今期の売上を〇〇円上げる」
というように、売上はKGIとなる場合も多いです。
その場合は、セッション数 / CVR / 単価の内どれがKPIになるのか、現状ではどの指標が低く、足を引っ張っているのか見極めましょう。

利益率

ECサイトのKPIとして、利益率はとても重要です。
売上は大きいが、運用コストが大きすぎて利益率が悪い、という事態に陥らないよう、しっかりと確認して運用しましょう。

セッション数

セッション数は、ECサイトへのアクセスの数です。
実際どれくらいの数のお客様を集客できているのかという実数になります。
セッション数(集客)を上げるための施策はWeb広告やSEOなど様々ありますが、基本的には中長期的な施策になることが多いです。

詳細を知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
関連記事:【EC担当必見】サイトの売り上げはどう伸ばす?5つの施策を紹介!

GAでは、ユーザー>概要から簡単にセッション数が確認できます。
また、同レポートページでは、ユーザー数、ユーザーあたりのセッション数、セッション数、PV数、ページ/セッション、平均セッション時間、直帰率といった指標が確認できます。

CVR(購入率)

CVR(コンバージョンレート)は購入率のことで、以下の式で求めることができます。
CVR=購入者数/セッション数*100

CVRが低い時は、購入までの導線を分かりやすくしたり、カゴ落ち対策をすることが必要になります。
一般的なECサイトのカゴ落ち率はおよそ70%と言われています。
CVR改善を目指す際はカゴ落ち率も同時に確認して、高くとも70%以下を目指しましょう。

参照元(流入元)

参照元は、ユーザーがどこからECサイトを訪れたかを表しています。
Googleアナリティクス上で主に出力される参照元は、以下の通りです。

  • Organic:自然検索。ユーザーがブラウザで検索して流入
  • Referral:外部サイトのリンクにより流入
  • Direct:流入元が不明(例:メールのリンク、ブラウザでURLを直接入力、お気に入りやブックマークなど)
  • SNS:FacebookやInstagramなど、SNSからの流入

 
オーガニック検索が少ない場合はSEO対策を行い自然検索の流入を増やすSNSが少ない場合はSNSアカウントを運用してユーザーに有益な情報を発信するなどの工夫をすることで、集客力が上がり、売り上げを伸ばすことにつながります。

GAでは、集客>概要で全体のレポートを見ることができます。
上記の参照元の中でさらにメディアを確認したい場合は、参照元をクリックすることで、より詳細に確認ができます。

ユーザー属性

年齢・性別・地域などでユーザーの分析が可能です。
自社ECサイトがターゲットとしているユーザーを、しっかりと呼び込めているのか確認しましょう。
また、ターゲット以外にもどんなユーザーが訪れているのかを確認することで、ECサイトの構成を工夫することができます。

GAでは、ユーザー>ユーザー属性>年齢(もしくは性別)から、下記の画像のようにセカンダリディメンジョンを選択することで、どちらか一方だけではなく年齢と性別を掛け合わせて確認することができます。

 

回遊率

回遊率は、1セッション当たりに見られたページ数のことです。
回遊率が低いということは、ECサイトが魅力に欠け、ユーザーが目的のページにたどり着く前に離脱している(サイトを離れている)ことが懸念されます。
 
回遊率が高いサイトは関連商品などがよくみられているため、ユーザーの衝動買いを促す力があります。
ユーザーの購買意欲を高めるためにも、回遊率は意識しましょう。
グローバルナビゲーションや関連商品、オススメ商品の表示、レビューを充実させることで回遊率向上が見込めます。

GA上では、ページ/セッションという指標で確認します。

直帰率

直帰率は、ECサイトに入ってきたユーザーが、他のページを全く見ずに離脱してしまった割合のことです。
ECサイトの平均的な直帰率は20~45%といわれているので、それ以上の場合はまずは45%以下を目指しましょう。
ECサイトのデザインが悪かったり、ECサイトが分かりにくい、使いにくいといった問題があるとユーザーが直帰してしまう原因になります。

ランディングページがTOPページの場合、目当ての商品を探しやすくするなど、ユーザーが使いやすい構成にしましょう。
商品詳細ページに直接誘導する場合は、類似・関連商品へのリンクを表示するレビューや商品説明を充実させる誘導元とのトンマナ(トーン&マナー)を合わせる、などの工夫で直帰率の改善が見込めます。

離脱率

離脱率はECサイトへやってきたものの、サイトを離れてしまったユーザーの割合です。
直帰率とは異なり、数ページ閲覧してからページを離れてしまったユーザーも含まれています。

離脱率改善のためには、サイトの購入導線を分かりやすくする、会員登録時や購入時の必須入力項目を減らす、などが考えられます。

カゴ落ち率

カゴ落ち率とは、カートページや確認ページなど、購入アクションの中で離脱した割合です。
一般的にECサイトのカゴ落ち率はおよそ7割近いと言われています。

カゴ落ち率の改善には、カートシステムが複雑ではないか、支払い方法は多数用意されているか、必須入力項目は多すぎないかなどを確認しましょう。

GA上では、コンバージョン>目標>ゴールフローの順でクリックして、カゴ落ち率を確認できます。

Web広告配信時に見るべき5つの指標(KPI)

ECサイトの売上を上げる施策としてWeb広告を配信している際は、しっかりと広告の指標も確認していきましょう。
これらはGAではなく、Google広告アカウントやFacebook広告マネージャなどで確認していくことが多くなります。
Google広告については、連携することでGA上から確認ができます。

CTR(クリック率)

CTR(click through rate)は広告のクリック率を表す指標です。
求める計算式は下記の通りになります。
CTR = インプレッション数(imp)÷ クリック数

Web広告の種類や業界によって、平均CTRは変化します。
広告運用の経験が少ない場合、数値感覚がまだはずので中々目標も立てづらいKPIになります。
そんな時は、ひとまずは広告を出稿したい媒体で、自社のサービスが属する業界の平均を調べ、一つのKPIにしてみることをお勧めします。

CTRを改善する効果的な方法は、ターゲティングの精度を上げること広告クリエイティブの精度を上げることの2点です。
最近は、CTRは特にクリエイティブに依存する傾向が強いです。
複数パターンのクリエイティブを用意して配信を開始し、運用の中でCTRが高い広告を確認しながら、A/Bテストを行うことで広告を最適化していきましょう。

CPC(クリック単価)

CPC(cost per click)は、広告が1回クリックされる毎にかかる配信費のことです。
CPCの算出には広告品質ランクが関係しています。

一般的に競合が多ければ多いほどCPCが高騰する傾向があるので、リスティング広告などを出稿する際は、適切なキーワードを選択することがCPCを下げることにつながります。
また、キャンペーン目的によりCPCは変化しますので、必ず適切なキャンペーン目的を選びましょう。

CVR

広告のコンバージョン率(以下、CVR)についても、しっかりと確認しましょう。
広告のCVRが低い場合、誘導先のLPやWebサイトに問題がある可能性が考えられます。
顧客の求めている情報はきちんと掲載されているか、分かりづらい表現や仕様になっていないか、トーン&マナーは広告と合っているか、といった視点で確認しましょう。
遷移先のページが重くなり、読み込み時間が長い場合、ユーザーは到着前に離脱してしまうことも考えられます。

CPA(獲得単価

CPA(cost per action)は、1コンバージョン(ECサイトであれば購入)あたりにかかった予算のことです。
そのため、CPAが低ければ低いほど、広告としては成果がよかったと言えます。

ROAS(広告の費用対効果

ROAS(Return On Advertising Spend)は使用した広告費に対する売上のことです。
ROASが高ければ高いほど、費用対効果に優れた広告であるということになります。
CPAのみをKPIに設定してしまうと、CPAは低いがCV数が少ない、というケースもあるので、広告配信を行う際はROASも必ず確認しましょう。

ROASを改善したい場合は、売上を上げるか、広告費を減らすという2択になります。
ターゲットやクリエイティブの再検討を行ったり、別媒体の広告を検討してみましょう。

まとめ:指標の把握はECサイト解析・分析の第一歩

まずはこれらの指標をうまく活用して、分析に役立て、売上最大化のための第一歩としてみましょう。

また、これ以外にも細かく見ていくことで分析に役立つ指標はあります。
慣れてきたら売れているページごとにアクセス解析を行い、なぜ売れているのか分析して、その他の商品へ活かしていきましょう。

アクセス解析の流れを詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
関連記事:ECサイト売上アップのためのアクセス解析

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